本を出版するにはまとまった原稿が必要になります。しかも5分や10分で読み終わる量ではなく、少なくとも数日、できれば一週間程度かけて読むだけのページ数はほしいものです。欲張りな執筆者なら繰り返し読んでもらいと思っているはずです。
読者としても本を手に取るときは、充実した読書体験を期待しています。
筆者は先日、一冊の紀行ドキュメンタリー本を6ヶ月程掛けて読了しました。総ページ数は574ページ。(『天路の旅人』 沢木耕太郎)
毎日読んでいたわけではなく、暇を見つけて少しずつページをめくっては、旅の仮想体験を楽しみつつこの半年を過ごしてきました。
読む人を惹きつけて、読む楽しみを提供できる本はどうすれば書けるのでしょうか。そもそも一般の人にプロの作家のような魅力的な文章が書けるものでしょうか。
もちろん、それは可能です。文章の善し悪しにプロもアマチュアも関係ありませんから。
日本語を日常的に使っている人なら、日本語の文章は書くことができます。ただその文章が本になったときに、多くの人に喜んで読まれるかは別の問題です
どうすれば沢山の人に読まれるか。その方法は別の項に譲り、まずは読まれやすい文章を書く方法について考えてみましょう。
●専門用語、業界用語、略語、内輪ことばは使い方に注意
著者にはなじみの用語であっても、読む人がイメージしにくい場合は、別に用語解説を加えたり、
続く…