書籍販売にかける想い 【営業部 新刊より既刊だ編】
2020.08.19

実績のない新刊本より実績のある既刊本を売る

 

 明日香出版社の営業部ではこのことを叩き込まれます。正直言って新刊は魅力的です。初めて手にする本ですし、未知の可能性を秘めているからワクワクします。しかし、そこにフォーカスしてしまうと大失敗につながりかねません。出版業界には再販制度というのがあり、一旦仕入れた商品を書店は同価格で返品ができるのです。有名な著者は期待度が高いので書店さんは多めの発注をします。しかし、評判に反して売れなかったら返品となってしまいます。だから書店で注文を頂いたら「万歳!」とはいかないのです。
 「その本はだれがどんな必要があって読むのか」を営業部は頻度に打ち合わせを行っています。
 例えば、9月は決算が多い時期です。だから経理部は決算書の業務にかかっています。一方で社長がどれほどの税金になるのか、やきもきしながら報告を待っています。やがて数字が出たら幹部会で今季の実績の反省と次期計画の検討に入ります。その会議では数字が飛び交うでしょう。数字に弱い幹部さんは発言の機会を失うことでしょう。幹部会議までに会社の数字の基礎知識は知っておきましょうということで「決算書思考」「会計思考」の並列販売の販促企画を打ち出しました。それが下の注文書の上段部分です。
 また、不況を乗り越えるために分社を考えている社長もいるかもしれない、または9月の人事異動期は異動の命を断って退職し、独立起業を考えている人がいるかもしれない。そんな方向けに下段の案内なのです。
 「いや、そんなに会議では数字での発表はないし、起業者も多くないよ。」と言う方がいらっしゃるかもしれません。その通りです。いないかもしれない。だけど実際は現実に反して売れが出るのです。会社のことを知りたくて数字に強くなろうという社員が買われます。起業にしても、退職届を出す前に起業のことが知りたいから買うのです。読んだ結果、起業をあきらめる人のほうが多いでしょう。
 予測してアイデア出しして、これに書店さんが「面白い」といって現実にフェアをしてくれたらそこにお客さんが集まるのです。
 出版営業は販売促進です。書店さんがいかに売り気になってくれるかの勝負を毎日繰り広げています。
 実績とはその本がいつ、どの書店で、どんな風な展開をして、何冊搬入して、何冊売れたか、です。
 こういう情報を類書情報とともに持参して商談する営業マンを書店さんは、「ベテラン営業マン」と呼びます。

 

記事一覧
書籍販売にかける想い 【営業部 新刊より既刊だ編】
2020.08.19

実績のない新刊本より実績のある既刊本を売る

 

 明日香出版社の営業部ではこのことを叩き込まれます。正直言って新刊は魅力的です。初めて手にする本ですし、未知の可能性を秘めているからワクワクします。しかし、そこにフォーカスしてしまうと大失敗につながりかねません。出版業界には再販制度というのがあり、一旦仕入れた商品を書店は同価格で返品ができるのです。有名な著者は期待度が高いので書店さんは多めの発注をします。しかし、評判に反して売れなかったら返品となってしまいます。だから書店で注文を頂いたら「万歳!」とはいかないのです。
 「その本はだれがどんな必要があって読むのか」を営業部は頻度に打ち合わせを行っています。
 例えば、9月は決算が多い時期です。だから経理部は決算書の業務にかかっています。一方で社長がどれほどの税金になるのか、やきもきしながら報告を待っています。やがて数字が出たら幹部会で今季の実績の反省と次期計画の検討に入ります。その会議では数字が飛び交うでしょう。数字に弱い幹部さんは発言の機会を失うことでしょう。幹部会議までに会社の数字の基礎知識は知っておきましょうということで「決算書思考」「会計思考」の並列販売の販促企画を打ち出しました。それが下の注文書の上段部分です。
 また、不況を乗り越えるために分社を考えている社長もいるかもしれない、または9月の人事異動期は異動の命を断って退職し、独立起業を考えている人がいるかもしれない。そんな方向けに下段の案内なのです。
 「いや、そんなに会議では数字での発表はないし、起業者も多くないよ。」と言う方がいらっしゃるかもしれません。その通りです。いないかもしれない。だけど実際は現実に反して売れが出るのです。会社のことを知りたくて数字に強くなろうという社員が買われます。起業にしても、退職届を出す前に起業のことが知りたいから買うのです。読んだ結果、起業をあきらめる人のほうが多いでしょう。
 予測してアイデア出しして、これに書店さんが「面白い」といって現実にフェアをしてくれたらそこにお客さんが集まるのです。
 出版営業は販売促進です。書店さんがいかに売り気になってくれるかの勝負を毎日繰り広げています。
 実績とはその本がいつ、どの書店で、どんな風な展開をして、何冊搬入して、何冊売れたか、です。
 こういう情報を類書情報とともに持参して商談する営業マンを書店さんは、「ベテラン営業マン」と呼びます。

 

記事一覧