オリジナルコラム

出版がわかる!企画から書店販促のすべて

電子書籍(電子出版)のしくみと販売について

2021.11.15

電子書籍はパソコンやスマートフォン等の端末で読む書籍です。

Amazonではkindle版にデータ化された形式で販売されています。

電子書籍と通常の書籍(紙の本)の違いについても説明させていただきます。

【電子書籍の製作と費用について】

電子書籍は基本的にいただいた原稿がほぼそのままにデジタルデータ化されます。簡単な校閲など、ひと通りの編集作業が行われた後、ネット書店のサイトにアップされます。製作費用は小社では30万円(表紙画像も製作する場合は40万円)としています。用紙・印刷製本費用が必要な書籍(平均200万円)と比べて格段に安価です。

【ネット書店での販売】

Amazon kindleが代表的な販売サイトです。販売価格は紙の書籍のような印刷、製本費用や書籍管理費用(倉庫代)等を要しないため、求められやすい価格にすることができます。また、ネット環境が整っている場所なら24時間どこでも購入できます。

デメリットとしては電子書籍はダウンロードした端末でしか読むことができないので、他人への貸し借りができません。また、購入と言っても手に入るのはその本を読む権利のみで、電子書籍ストアが販売を終了した場合は読めなくなってしまうことがあります。

【紙の本と電子書籍の販売の違い】

電子書籍はネット書店のみの販売となり、書店には並びません。ネット書店は基本的に目的買いの傾向が強く、衝動買いの可能性は低いです。そのため、一般の人の目に触れる機会が少なく、著者自ら販促を行うことが必要となります。

紙の本の場合は出版社の営業部が販促に関わり、実際に書店の店頭に陳列されることになりますので「こんな本もあったんだ」と思わぬ発見を誘い、衝動買いされるチャンスが高まります。さらにはネット書店での取り扱いもあり、国会図書館にも納本・登録されるため、目に触れる機会が高まることになります。

自社の知名度を上げるためにブランディング出版したい、または出版したことを広く知ってもらいたいとお考えでしたら、電子書籍よりも紙の本をお奨めします。

【電子書籍は軽くて調べやすいのがメリット】

電子書籍は端末の中に何百冊でも蔵書をすることが可能なので、置き場所に困ることがありません。また、文字や図表の大きさを自由に変えることができたり、調べたい言葉を検索できる利点があります。地図やレシピなどの趣味実用やビジネスまで、利便性は高いものがあります。

紙の本の場合は何十冊と増えてゆくと収納場所に困る欠点がありますが、それは読者としてのものです。著者が長期間一生懸命に書き溜めた原稿が1冊になって手にされたときの質感や重量感は電子書籍とは比べ物にならないくらいの喜びがあります。

【電子書籍販売の収入は2種類あります】

電子書籍は一定期間における販売冊数×販売価格×料率が著者へ支払われることになります。著者とネット書店が独自で契約する場合と、販売を出版社に任せる場合とでは支払われる金額に違いがあります。著者が直接ネット書店と契約して行う場合の方が料率は高いです。しかし、出版社を通すことで出版社の説明コメントなどプロが手を加えることで販売冊数が伸びるなど、利点もあります。

【電子書籍と紙の本、どちらがよいのか】

電子書籍は安価で便利な反面、つくりは簡素で販売ルートや販促活動は限定されます。

紙の本は高額で場所を取るなどありますが、一方で本が好きな人には何ものにも代えがたい喜びがあること、出版社営業部が販売促進に努めることで多くの書店に並ぶことになります。

どちらがあなたにとって必要な出版形態かはじっくりお考え頂ければと思います。

【電子書籍と紙の本を同時に注文すると安くなるのか】

なお、紙の本を作って同時に電子書籍を依頼されるケースも多いです。紙の本を製作する際に版下という内容が校正され、レイアウトが整った基盤データを作成します。電子書籍はこれをもとに作れますので出来は書籍とほとんど変わらず、制作費も安くなります。

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