出版社の販促活動【新刊発売前】
2021.12.13

 本を出版されれば、書店さんが店頭に積み、売れれば増刷されてさらに展開が大きくなるというのは確かにその通りです。しかし、出版社や書店さんが努力をしないで本が売れると言うことはめったにありません。今回から出版社の営業部がどの様な販促活動を行っているのかを説明します。

出版社の販促活動には、大きく分けて発売前】【発売直後】【再出動】と3段階あります。

ここでは明日香出版社の販促活動を3回にわたってご紹介します。

 

【発売前】の活動について

★カバーデザインは書店さんの意見も伺い、編集部へフィードバック

 明日香出版社では新刊は発売2か月前から販促活動が始まります。「明日香かわら版」というDMを製作して新刊の注文書とともに毎月書店へ届けています。

はじめはモノクロの注文書でタイトルのみを案内し、次月はカラーでカバーデザイン入りの注文書で案内をします。

 

     

 

 カバーデザインは売れるための重要な要素なので数パターンのデザインを用意し、本の内容も説明しながら書店のご担当者さんのご意見を伺います。

 

「この文字を太くした方がいい」

「このキャッチコピーはいいね」

「カバーに流行言葉は使わないほうがいい。短命になる」

「このデザインだったら大きく仕掛けたいね」

などいろいろなご意見をいただきます。

月に一度、営業部と編集部とで打ち合わせをして、編集者に書店さんの意見をフィードバックし、より良いカバーデザインに仕上げていきます。さらに書籍の内容や売りのポイントなども編集者と意見交換をして、より書店さんや読者に伝わる形にしていきます。

 

★どこで売るのか?マーケティング戦略を立案

 書籍の内容や売りがわかれば次は販売戦略を立てます。

まずは過去に出た類書の販売実績を参考にどこの書店に平積み案内するかを決めます。最近はほぼすべての書店さんにPOSレジが導入されており、出版社が各店の単品の売上データを見ることができます。

 次にエリア。本書を買われる読者をイメージします。バリバリの仕事術の本であれば、もっと効率的な仕事のやり方がないか悩んでいるビジネスマンが多く立ち寄るビジネス街にある書店さんが相応しいでしょう。生き方を解く自己啓発書であれば、休日に仕事から解放されたビジネスマンが自宅近くの郊外型の書店さんで買われる可能性が高くなります。著者が社長の場合はその会社の近くの書店さんで従業員の方や出入りされる業者の方が買われる率が高くなるので、それらのエリアや立地の書店さんに重点的に案内をかけていきます。

 

★書店さんと陳列場所の相談

 書店さんでは内容に従って様々な陳列場所があります。どの本もお客さんの流れを考えて並べられています。著者の方でお店の入り口に平積みされていないと残念がられる方もいますが、そう考えるのは早計です。お店の入り口は確かに目立ち、売れる可能性は高いのですが、それなりの販売に至らなければすぐに展開が終了しほとんどが返品され売れない印象だけが残ってしまいます。そうなると再度展開することは困難です。店頭に並ぶには提案順序が必要です。

 

 

 まずは、ご担当者さんに新刊台に並べていただけるよう、提案します。新刊は全て新刊台に並ぶと言うことはあり得ません。1日に出版される新刊点数は平均250点です。相当の大型店でもすべてを平積みにはできません。明日香出版社の新刊はほとんどが平積みで販売が開始しますが、それは書店さんとの信頼関係があるからこそで非常に恵まれた環境であると言えます。また新刊台でもお客さんが手に取りやすい場所での展開や売行き良好書と並列などその書籍に相応しい場所での並べ方を打ち合わせします。新刊台以外にもビジネス書コーナーの棚前にある平台や通路に突き出ているエンド台など売れが見込める場所があり、そこにどう並べてもらえるかは営業部員の働きにかかっています。

 

★必要に応じて複数場所での展開も提案

 新刊台だけでなく棚前でも平積みを提案しますが、さらに複数ジャンルで提案することもあります。例えば心理学本は本来人文書ですが、内容によってはビジネス書での展開も提案します。ビジネス英語本も本来は語学書ですが、外資系企業が多いエリアの書店さんではビジネス書フェアに入れることも提案します。

 

  

 

 また、直近で売れた著者の本や時流に合った内容だと、上記新刊台だけでなく話題書コーナーやワゴンで大量陳列となる場合があります。1点で大量に展開する場合は数か月前から予約を入れて打ち合わせを行います。

これらの事前活動を経て書店さんでの発売に至りますが、営業の仕事はこれで終わりではありません。

 発売後の販促活動については、別途ご紹介したいと思います。

 

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出版社の販促活動【新刊発売前】
2021.12.13

 本を出版されれば、書店さんが店頭に積み、売れれば増刷されてさらに展開が大きくなるというのは確かにその通りです。しかし、出版社や書店さんが努力をしないで本が売れると言うことはめったにありません。今回から出版社の営業部がどの様な販促活動を行っているのかを説明します。

出版社の販促活動には、大きく分けて発売前】【発売直後】【再出動】と3段階あります。

ここでは明日香出版社の販促活動を3回にわたってご紹介します。

 

【発売前】の活動について

★カバーデザインは書店さんの意見も伺い、編集部へフィードバック

 明日香出版社では新刊は発売2か月前から販促活動が始まります。「明日香かわら版」というDMを製作して新刊の注文書とともに毎月書店へ届けています。

はじめはモノクロの注文書でタイトルのみを案内し、次月はカラーでカバーデザイン入りの注文書で案内をします。

 

     

 

 カバーデザインは売れるための重要な要素なので数パターンのデザインを用意し、本の内容も説明しながら書店のご担当者さんのご意見を伺います。

 

「この文字を太くした方がいい」

「このキャッチコピーはいいね」

「カバーに流行言葉は使わないほうがいい。短命になる」

「このデザインだったら大きく仕掛けたいね」

などいろいろなご意見をいただきます。

月に一度、営業部と編集部とで打ち合わせをして、編集者に書店さんの意見をフィードバックし、より良いカバーデザインに仕上げていきます。さらに書籍の内容や売りのポイントなども編集者と意見交換をして、より書店さんや読者に伝わる形にしていきます。

 

★どこで売るのか?マーケティング戦略を立案

 書籍の内容や売りがわかれば次は販売戦略を立てます。

まずは過去に出た類書の販売実績を参考にどこの書店に平積み案内するかを決めます。最近はほぼすべての書店さんにPOSレジが導入されており、出版社が各店の単品の売上データを見ることができます。

 次にエリア。本書を買われる読者をイメージします。バリバリの仕事術の本であれば、もっと効率的な仕事のやり方がないか悩んでいるビジネスマンが多く立ち寄るビジネス街にある書店さんが相応しいでしょう。生き方を解く自己啓発書であれば、休日に仕事から解放されたビジネスマンが自宅近くの郊外型の書店さんで買われる可能性が高くなります。著者が社長の場合はその会社の近くの書店さんで従業員の方や出入りされる業者の方が買われる率が高くなるので、それらのエリアや立地の書店さんに重点的に案内をかけていきます。

 

★書店さんと陳列場所の相談

 書店さんでは内容に従って様々な陳列場所があります。どの本もお客さんの流れを考えて並べられています。著者の方でお店の入り口に平積みされていないと残念がられる方もいますが、そう考えるのは早計です。お店の入り口は確かに目立ち、売れる可能性は高いのですが、それなりの販売に至らなければすぐに展開が終了しほとんどが返品され売れない印象だけが残ってしまいます。そうなると再度展開することは困難です。店頭に並ぶには提案順序が必要です。

 

 

 まずは、ご担当者さんに新刊台に並べていただけるよう、提案します。新刊は全て新刊台に並ぶと言うことはあり得ません。1日に出版される新刊点数は平均250点です。相当の大型店でもすべてを平積みにはできません。明日香出版社の新刊はほとんどが平積みで販売が開始しますが、それは書店さんとの信頼関係があるからこそで非常に恵まれた環境であると言えます。また新刊台でもお客さんが手に取りやすい場所での展開や売行き良好書と並列などその書籍に相応しい場所での並べ方を打ち合わせします。新刊台以外にもビジネス書コーナーの棚前にある平台や通路に突き出ているエンド台など売れが見込める場所があり、そこにどう並べてもらえるかは営業部員の働きにかかっています。

 

★必要に応じて複数場所での展開も提案

 新刊台だけでなく棚前でも平積みを提案しますが、さらに複数ジャンルで提案することもあります。例えば心理学本は本来人文書ですが、内容によってはビジネス書での展開も提案します。ビジネス英語本も本来は語学書ですが、外資系企業が多いエリアの書店さんではビジネス書フェアに入れることも提案します。

 

  

 

 また、直近で売れた著者の本や時流に合った内容だと、上記新刊台だけでなく話題書コーナーやワゴンで大量陳列となる場合があります。1点で大量に展開する場合は数か月前から予約を入れて打ち合わせを行います。

これらの事前活動を経て書店さんでの発売に至りますが、営業の仕事はこれで終わりではありません。

 発売後の販促活動については、別途ご紹介したいと思います。

 

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