第7回 ブランディング出版は帯で伝え方を変えられる|商業出版との違い
ブランディング出版では、帯の言葉を用途別に設計することで、営業・採用・広報など相手に合わせた伝え方が可能です。商業出版との違いと企業出版の実務的な活用メリットを解説します。
■表紙はそのまま、帯で伝え方を変えられる
― ブランディング出版は「言葉の入口」を設計できる ―
人は、本の中身より先に、必ず“表紙まわり”を見ます。
タイトル、装丁、そして帯に書かれた一行。その一瞬の印象で、「これは自分に関係がある本だ」と感じるかどうかが決まります。帯は、ほんの短い言葉で、読む理由をそっと手渡す存在です。
社史を出す、ブランディング出版を検討する。そう考えたとき、多くの方は「どんな内容を書くか」に意識が向きます。しかし実際には、「どんな言葉で手に取ってもらうか」も、同じくらい重要な設計要素です。
■ブランディング出版では帯の文言、デザインも著者の希望を取り入れる
商業出版において、帯は売るためのコピーとして設計されます。
書店の棚で一瞬でも目を引くこと、話題性をつくること、ランキングや推薦コメントを載せること。そこには明確な販売戦略があります。
しかし、ブランディングや営業ツールとして本を使いたい場合、そのコピーが必ずしも自社の伝えたい価値と一致するとは限りません。
むしろ、刺激的すぎたり、誇張表現が強すぎたりして、実務で使いにくく感じることもあります。
商業出版では、帯の文言やデザインを企業側が自由に決めることはほとんどできません。
■ブランディング出版なら「帯」を用途別に設計できる
ブランディング出版では、書店販売を主目的としない場合、帯を用途別に作り分けることが可能です。
同じ本であっても、営業用の帯、採用向けの帯、イベント配布用の帯など、伝えたいメッセージに応じて言葉を変えることができます。
たとえば、営業先に渡す本であれば、実績や信頼性を強調したコピーにする。採用向けであれば、価値観や働く意味が伝わる言葉にする。イベント用であれば、記念性や物語性を感じさせる一文にする。
帯は取り替え可能でありながら、受け取る印象を大きく左右します。
ほんの一行の違いで、相手が「この本は自分のための本だ」と感じるかどうかが変わるのです。
■本は「誰に、どんな言葉で渡したか」が記憶に残る
本は、ただ情報を載せた印刷物ではありません。
誰から、どんな場面で、どんな言葉を添えて渡されたのか。その体験ごと、相手の記憶に残ります。
帯にはタイトルだけでは伝えきれない、著者の気持ちやお客様への想いなども補足することができます。
企業出版や自費出版を検討されている方にとって、こうした細部の設計ができるかどうかは、ブランディングの質に直結します。
ブランディング出版は、本を“売る商品”ではなく、“関係をつくるメディア”として扱える出版手法です。
帯という小さなスペースに言葉を込めることで、相手との距離をそっと縮めることができる。そこに、商業出版にはない実務的な価値があるのだと思います。