出版社が紡ぐ「ことば」のコラム

Column

  1. HOME
  2. コラム
  3. 第8回 社内に向けて本を書くということ ~経営の言葉を「残る形」にする意味~

第8回 社内に向けて本を書くということ ~経営の言葉を「残る形」にする意味~

コラム

これまでこの連載では、ブランディング出版と商業出版の違いを軸に、企業が本を持つ意味について考えてきました。
営業、採用、広報、ブランド資産。外に向けた価値は確かに大きいものがあります。
しかし、本というメディアの力が最も静かに、そして深く作用するのは、案外「社内」に向けたときかもしれません。

会社が大きくなるほど、経営者の言葉は直接届きにくくなります。
日常の会話では伝えきれない価値観や判断基準が、いつの間にか曖昧になっていくこともあります。そこで、本という形で言葉を残す意味が生まれます。

社内に伝える言葉は、時間とともに薄れてしまう

経営理念やビジョンは掲示できます。
スローガンも共有できます。
けれど、それらが本当に腹落ちする形で理解されるかどうかは別の問題です。

人の記憶は流れていきます。
説明会で聞いた話も、入社数年後には断片しか残っていないことが多いでしょう。組織が拡大すれば、創業者の想いや理念を知らない社員も増えていきます。

こうした状況の中で、経営者の考え方や会社の歩みを一冊にまとめておくことは、組織の共通理解を支える基盤になります。

この用途においては、商業出版かブランディング出版かという形式の違いは本質ではありません。
重要なのは、「言葉が残る形になっているかどうか」です。

本という形式だから届くものがある

社内資料や動画と違い、本には独特の重みがあります。
必要とされるタイミングで開かれ、何度でも読み返しができる。時間差を持って受け取られる知の宝庫です。

入社当時に読んだ内容が、数年働いた後に読み返してみると、同じ文章でも意味が変わることがあります。それは読んだ方が成長した証です。

採用活動においても、本は強い役割を果たします。
御社の本を求職者に渡すことで、表向きの事業内容だけではなく、会社の思想や判断基準に共感する人と出会いやすくなります。

企業出版を検討される方にとって、この内向きの効果は見落とされがちですが、長期的には非常に大きな価値になります。

言葉を残すという経営判断

会社の運営は、意思決定の積み重ねです。
その根底にある理念や考え方を言葉として残す行為は、未来の組織に対する責任でもあります。

社内向けに本を書くことは、組織の文化を育て、判断の軸を共有することです。そして、人が入れ替わっても価値観が継承される状態をつくるための行動です。

ブランディング出版であれ、商業出版であれ、共通している本質があります。

それは、本とは言葉を未来に手渡す装置だということです。

会社の本を出す意味は、外に伝えることだけではありません。
社内に向けて言葉を残すこと。それが組織の輪郭を着実に少しずつ形づくっていくのだと思います。

あなたのことばを聞かせてください

具体的な構想が決まっていなくても構いません。
一緒にゼロから始めませんか?

今すぐ無料で相談する
カテゴリ
コラム著者インタビュー出版事例お役立ち情報レポートひと・会社探訪連載すべて
無料相談・資料請求