本づくりもいよいよ終盤へ。
原稿を整え、デザインが仕上がったら、次は「校正」と「印刷」という最終工程に入ります。
今回は、本が完成する直前のこの2つのステップについて、わかりやすくご紹介します。
校正とは、「間違い探し」だけじゃない
校正とは、レイアウトされた本文(いわゆるゲラ)を見ながら、内容に間違いや不備がないかを確認する作業です。
「誤字・脱字はないか?」
「句読点や漢字表記が統一されているか?」
「図や写真の位置、キャプションにズレはないか?」
など、細かな部分を中心に丁寧にチェックしていきます。
実際にページの形になった状態で原稿を見ると、「この文章はもっと前に持ってきた方が良さそう」「ここに小見出しがあると親切かも」といった気づきも生まれます。
まさに、“本になる直前の磨き上げ”の作業です。
校正は著者と編集者が一緒に行う作業
校正は、編集者だけで進めるのではなく、著者の目でも確認していただきます。
「読者に伝わる形になっているか?」
「自分の意図がきちんと反映されているか?」
そんな視点で読み返していただき、ご希望があれば細かい修正も可能です。
このとき、「修正してはいけないのでは?」と遠慮する必要はありません。本が完成する前の最後の調整ですから、納得いくまでご相談ください。
いよいよ印刷へ!どんな仕様でつくる?
校了(=校正作業がすべて終わり「これで印刷OKです」と確定した状態)になると、いよいよ印刷所へデータが送られます。
その際に決める主な項目は次のとおりです:
- 印刷部数(ご希望の数量)
- サイズ(A5/四六判など)
- 紙の種類(表紙/本文)
- 表紙の加工(マット/光沢/PP加工など)
ご希望に応じて、見本紙や加工サンプルをご覧いただくことも可能です。
印刷は、おおよそ1〜2週間ほどで完了。できあがった本は、指定の場所に納品されます。
完成品を手にしたときの感動
印刷された本が手元に届いたとき、多くの著者が言葉を失います。
「本当にできたんだ・・・・」
「最初に思っていたよりはるかにいい出来になったな・・・」
自分の想いや体験、言葉が一冊の本として手のひらにある——その感動は、やはり格別です。
自分自身の軌跡が、かたちになった瞬間。
それは、人生の節目や記念になると同時に、誰かの心に届く“贈りもの”にもなります。
まとめ|校正と印刷は、“完成への最終ステップ”
校正で内容を丁寧に整え、印刷でいよいよ本という物体に仕上げていく——
このふたつの工程は、見た目以上に大切な「本の仕上げ」です。
ここまできたら、あともう少し。著者と編集者が力を合わせて、最後まで丁寧につくりあげていきます。
次回予告
第6回では、「本をどう活かすか?」をテーマに、書店流通やAmazonでの販売、営業ツールや贈呈本としての活用法など、本を“出したあと”の広げ方についてご紹介します。