
情報発信は、今では特別なことではありません。SNSやブログ、動画など、どんな手段でも世界とつながることができます。しかし、「発信する」と「伝わる」は、まったくの別物です。
伝えたつもりなのに、届いていない。発信への反応がない。内容が誤解される……。友人との会話でも仕事でも、「伝わらなさ」に悩む場面は多いものです。
発信は、ただ情報を発することではなく 「言葉を届ける」 こと。相手に届いてこそ、伝えたことになります。今回は、そのためにできることをいくつかお話しします。
伝えたいことを「1行で言えるか?」
発信がうまくいかないと悩む人の多くは、「何を伝えたいか」が整理できていません。情報発信とは、一本の道をつくること。でも、その道のゴールがぼんやりしていたら、どこへ向かえばいいのかわからなくなります。
たとえば、「この本、すごくよかった!」とだけ書かれた投稿。受け取る側には「面白かったのかな?」くらいの印象しか残りません。
反対に、本を読めばタイムマネジメントが上手くなることを伝えたい!と思っていたら、「この本を読んだら、朝の時間の使い方が変わる」と書くと思いませんか。ここまで書くと、発信の軸がはっきりします。
さらに、「本に書かれていた方法を試したら、長年のギリギリ癖が改善できた」となれば、伝えたい内容がより具体的になり、読み手は「私も試してみようかな」と思うかもしれません。
伝えたいことの旗を立てる。まずは、伝えたいことを 1行で言えるか? これを試してみてください。そこがはっきりすると、発信は自然と伝わりやすくなります。
「受け取る側の視点」に立てるか?
発信する側は、つい「私はこう思う」に寄りがちです。でも、本当に伝わる情報とは、「相手にとってどう価値があるか」を考えたもの。
「予防接種が始まります」と言われるより、「○月○日までに予約すれば、優先枠で接種できます」と伝えられたほうが、行動につながります。
「このイベントにぜひ来てください」よりも、「このイベントに来れば、最新の業界トレンドが学べます」のほうが、より伝わりやすいのです。
伝えたいことより、「相手が知りたいことは何か?」。この視点にシフトするだけで、発信の精度は変わります。
情報を「体温のある言葉」に変える
事実を並べるだけでは、本当に伝わる発信にはなりません。
「このストレッチを1日5分続けたら、1ヶ月で体脂肪率が3%減りました。」
数字は伝わります。でも、それだけでは足りません。
毎日スクワットを続けたら、ある朝、キツかったデニムがすっと入った。思わず鏡の前で小さくガッツポーズ!」
伝わる発信には、体温があります。数字やデータも大事ですが、そこに「人の気持ち」を添えることで、情報はぐっと生きたものになります。
「伝える」は磨くもの
伝わる発信のコツは、意外とシンプルです。
• 「1行で言えるか?」と問いかける
• 「受け取る側の視点」に立つ
• 「体温のある言葉」に変える
この3つを意識するだけで、発信の精度はぐっと上がります。
伝えるたびに、「どうすれば、もっと伝わる?」と考えてみてください。
その思考を積み重ねていけば、「伝える力」が磨かれ、その言葉は、きっと誰かの心に届くはずです。