今年の初め、中部地方で自動車部品加工会社を創業・経営していた80代の男性の方(K様)から、本を出したいという依頼をいただきました。
原稿を拝見すると
・ご自身の生い立ちから創業までの流れ
・手掛けてきた事業のこと
・今に至るまでに思ったことや後の世代に伝えたいこと
・昨今の自動車業界を取り巻く状況について思うこと
など、まさにご自身の軌跡をそっくり活字にしたような内容。
過去に愛知県・静岡県で自動車産業の取材・執筆をした経験があったことから、私が一連の編集を担当させていただきました。
「エキゾーストマニホールド(自動車の内部にある分岐した管)」
「中子(なかご、中に空洞があるものを鋳造する際に使用する、砂でできた型)」
など専門用語の数々を前にさび付いた頭をフル回転させつつ、原稿に向き合う日々。
明かり取りの窓から差し込む日の光と機械油の香り、ある企業さんを午前に取材した時に「お昼に行ってみなよ」と教えてもらった店のラーメンのおいしさなど、昔のそんなことを思い出しつつ楽しんで取り組みました。
K様はご高齢かつ体調面の不安を抱えていらしたため、一部の原稿については電話でやり取りをしつつ、こちらで言葉を継ぎ足して本の形式にできるよう調整しました。
やり取りの様子は周囲曰く「おじいちゃんと孫みたい」だったそうです。
本が無事に仕上がったのは3月末のことでした。
そして最後の最後に自分のちょっとしたこだわりなのですが、本の見返しのこの色。
実はK様の会社の作業着の刺繡の色です。
もともとは作業着の布地の色(紺色)にしようか、という話もあったのですが、せっかくだから明るくかつ会社と関係のある色にしよう、ということで決定しました。
ちなみに……
こんなこともできます!というアピールになってしまうのですが、弊社では
・自動車工業(特に得意なのは、三元触媒など排気ガスの触媒技術の分野)
・医療機器産業
その他工業関係全般の原稿も編集を承っております。
後に伝えたいノウハウや自社の歴史など、活字にしたい気持ちが起きた際にはぜひご連絡くださいませ。