
グローバルに活躍する社会人を育てる学び舎
~事業構想大学院大学を訪ねて~
いくつになっても勉強する人は素晴らしい──そう実感しながら、事業構想大学院大学を訪問しました。この学び舎は社会人に開かれた場所であり、講師陣は企業のリーダー、そして受講生も現役の社会人です。ここでどのような学びが展開されているのかを知りたくて、足を運びました。
☆事業構想大学院大学とは
本校は、社会人が「社会をより良くする力」を身につけるための専門職大学院です。2017年、南青山・表参道の石灯籠の向かいに開学しました。実務経験を持つ社会人が、理論と実践を融合させながら学び直す場であり、「知の実践研究・教育で社会の一翼を担う」という理念のもと、社会変革に貢献する人材の育成を使命としています。

知恵・賢明さに加え、夜目が効く洞察力の象徴でもある
☆学び直しの場としての事業構想大学院大学
本校は、社会人が深い知識と実践力を養うことを目的としています。授業は平日夜間や土曜日に開講され、働きながら学べる環境が整っています。オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型授業も導入され、柔軟な学習スタイルが可能です。多様な業種・職種の受講生が集うことで、新たな「共創」が生まれることも、この学び舎の大きな魅力です。
☆多様な背景を持つ学生たち
在籍する学生は、新卒者から企業人、地方自治体職員、NPO運営者まで実に多彩です。取材当日も、ある企業の社員が大勢集まり、ミーティングを行っていました。社外の整った環境で行うことで、きっと素晴らしいアイデアが生まれるのだと感じました。
☆自由な学びの場 ~アイデアが湧き出る場所~
建物はお洒落でありながら機能的に設計されています。図書室やセミナー・ミーティングルームのほか、眺めの良いテラス席も完備。打ち合わせの合間に思考を整理する場としても活用されています。
☆実務家や著名人が講師として登壇
事業構想大学院大学では、実務経験豊富な企業のリーダーや著名人が講師を務め、理論と実践を融合させた授業を展開しています。たとえば、株式会社ユーグレナ代表取締役社長・出雲充氏は、企業における人材育成について講義を実施。また、電通PRコンサルティングの阪井完二氏は、戦略的広報についての授業を担当されています。
☆客員教授に青山家第27代当主も
本校の客員教授である青山忠靖氏は、江戸時代から続く名家・青山家の第27代当主でもあります。東京・青山という地名は、徳川家康に仕えた先祖・青山忠成に由来し、その名を現代に伝える青山家の歴史は400年以上に及びます。青山教授は、その伝統を守るだけでなく、歴史に学んだ革新的な発想を、現代の教育やビジネスに応用されています。
とくに注目すべきは、先祖・青山忠裕が実施した死刑制度の廃止や農民の出稼ぎ容認といった先進的政策です。これらを「時代の枠を超えた構造改革」と捉え、現代の事業構想や地域活性のヒントとして紹介。さらに、忠裕が丹波黒豆を健康食品としてブランド化した事例から、ストーリーテリングの重要性にも言及されています。青山教授は“越境的発想”による新たな構想力の育成に尽力され、未来を切り拓く人材育成に貢献されています。
☆目標は「日本を支える人」になること
本校は、未来を担う人々が出会い、学び合い、共創する場であり、学びを通じて日本人が世界に力を発揮することを目指しています。「山がないなら、つくればいい」という言葉は、言い換えれば「世界にないなら、自分たちでつくろう」という発想にもつながるのではないでしょうか。

取材にご協力いただいた小野瀬様、ご多忙のなか誠にありがとうございました。ブランディング出版を生業とする私たちにとっても、非常に充実した学びの機会となりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
事業構想大学院大学を後にし、徒歩3分。作家・脚本家の向田邦子さんが1981年まで暮らしていたアパートメントが、静かに息づいていました。〈脚本を書き、俳優とスタッフが現場で磨き合い、視聴者の胸に届いて初めて完成する〉──向田作品は、言葉にこそしなかったものの、まさに“共創”の結晶でした。
事故から間もなく半世紀。それでも彼女は、私たちファンの心に今日も生き続けています。そして、かつて彼女が駆け巡ったこの街に、今“共創”を学ぶ大学院があることに、不思議なご縁を感じずにはいられませんでした。
(文責 浜田)
事業構想大学院大学
住所:〒107-8411 東京都港区南青山3-13-16
最寄り駅:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」A4出口徒歩1分
電話:03-3478-8411
https://www.mpd.ac.jp/