商業出版の方がいいという方は多いです。
理由を聞くと出版社経費で作ってくれるからというご返答が多いです。
それだけとなかなか出版に結び付かないです。
商業出版と自費出版の違いと自費出版のメリットを上げてみます。
【商業出版は実現性が低い】
商業出版は制作費用が出版社持ちであり、印税収入もあります。広告も出版社負担です。
ただし、企画進行は出版社側に主導権があり、著者の思うようなタイトルや内容にならないことが多いです。
また、売ることが目的の出版となるため、お送りいただく企画においてもほとんどお断りとなってしまいます。
出版社は過去に出版履歴のある著者で、売れが出た経歴を持つ著者に提案することが多く、出版履歴のない方の出版はなかなか難しいです。
【自費出版のメリット】
初めて本を出していきなり売れることは稀です。
せっせと出版社に商業出版の企画書を出しても徒労に終わることが多いです。
最初の1冊をまず出してみることをお奨めします。自費出版にはその価値があります。
★自費出版といえども出版社の責任で出版する以上、内容審査は必ず行います。
内容によりお断りすることもあります。それだけ信頼の高いものが出来上がります。
★編集者はあなたの本作りに並走してくれます。相談にも乗ります。
★出版に至るまでのスケジュールや仕組みまでも明確になります。
★何万文字にわたる文章の書き方、構成の仕方もわかります。
★出版用語、流れが理解できるようになります。これは次の出版の時のメリットです。
将来、商業出版される前に自費出版を体験しておくことは戦略のひとつです。
★自費出版でも売れれば注目を浴び、出版社から出版依頼が来ることもあります。
まず費用については基本費用とオプションの2つです。
2つがセットになっている出版社もあります。
〇製作費用は著者のお支払いとなります。費用は部数によって違います。
出版社によって違いますが、200万円以上350万円の間です。
この差はオプション費用が含まれているか、出版後に営業フォローがあるかないか、
在庫の管理費用等で違ってきます。
〇代筆ライター費用、広告費用はオプションとなる場合が多いです。
そして、
自費出版は進行の仕方が商業出版と決定的に違います。
最初に、発行の目的を伺います。
●売ることよりもご自身の記録として残したい本の場合。
献身的にカバー装丁、内容は著者のご意向に添います。
カバーは数種類作成してお好みを選んでいただきます。修正も行います。
目次や内容の文章校正は行いますが、基本的にそのままです。
著者の意図を組み、文字校正以外はそのままにします。
●「書店に並べて売りたい」場合。(企業出版・ブランディング出版とも言います)
ここは商業出版と工程が似ています。ただ、主人公は著者です。
タイトル、カバー装丁を編集者が複数提案します。
書店では商業出版と自費出版の区別はありません。
売れそうなタイトル、カバーデザインをアドバイスします。
まえがき、目次構成をアドバイスします。
まえがきは意外に重要です。本書の目的などが記されているかみます。
目次は本書の骨組みです。論理矛盾や繰り返しの無駄がないかなど確認します。
本文内容も整理、提案します。
矛盾がないか、語尾の統一、章の入れ替えのご提案など完成度の高いものになるようにアドバイスします。
展開希望の書店の相談に乗り、営業します。
造るだけではありません。出版社で本を作る最大のメリットは書店で並ぶことです。
並べてほしい書店さんがあれば営業します。営業力の強い出版社には可能です。
ご希望により書店巡りも同行します。
訪問するお店の選定やルート設定も出版社が行います。
書店は熱心な著者の本を大切に売られます。
出版社と同伴すれば効率よく書店訪問ができます。
安価で新聞広告が出せます。
新聞の出版物の広告は他業種に比べて格安で掲載することができます。
印税については初版時はありませんが、増刷からはありです。
出版印税方式(刷り数×本体価格×印税率)なのか売上印税方式(販売冊数×本体価格×印税率)
いずれかは必ず確認してください。額が全く違います。
自身で本を売ることもできます。
出版費用が250万円だったとして書籍の価格が1500円だったとします。
1000冊売れれば150万円の売上で100万円で本を製作したことになります。
1700冊以上売れれば255万円となり、出版費用が賄えてしまいます。
書籍は買ってもらいましょう。人間、買わないと読みません。
サイン本入りでプレゼントする著者がいますが、ほとんど読んでくれません。
いかがでしょうか。
自費出版という用語は生々しくて私はあまり好きではありません。
そのため弊社ではマイブックと呼んでいます。
お金を出した、ではなく、「自分の本を出版社と一緒に作った」と思ってもらいたいのです。
出版社も書店も本を大切に扱います。
まずは1冊出してみて、本屋さんに行ってご自身の本が並んでいるのを発見してみませんか!