あなたが「知っていること」は、誰かにとっては「知りたいこと」かもしれません。
でも、ただ知識を持っているだけでは、それが価値になるとは限らない。
料理が得意な人はたくさんいますが、
それをレシピとしてまとめたり、料理教室を開いたりすることで、
はじめて誰かの役に立ち、「仕事」や「ブランド」になっていきます。
知識や経験は、活かす場があってこそ意味を持つもの。
そして、その活かし方を考えるのが「マーケティング」の視点です。
大げさに考える必要はありません。
自分の強みを見つけ、それをどう伝え、どう広げていくか。
それだけでも、知識は価値に変わっていきます。
「知っていること」と「できること」は違う
本を読んで学ぶ。セミナーに参加する。
どれも大事ですが、「学んだことを実際にやってみたか?」 と考えてみるとどうでしょうか。
学んで「なるほど!」と思ったことも、実践しないと忘れてしまうもの。
すべてを完璧に身につけようとする必要はありません。
「今すぐできること」を1つだけ試してみる。
それだけで、知識がただの情報ではなく、自分のものになっていく気がします。
知識を「活かせる場所」をつくる
持っている知識を、どう活かすか。
マーケティングの世界では「ポジショニング」が大切だと言われますが、
これは何もビジネスの話だけではありません。
ポジショニングとは簡単に言うと「○○といえばあなた」と思ってもらうこと。
自分の経験を誰かの役に立つ形にまとめることで、知識が強みになり、
さらに行動を発信する習慣があれば、それが誰かの役に立つものになっていきます。
「自分には特別な知識なんてないし…」
そう思うかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか?
あなたが当たり前にやっていることが、
他の人にとっては「知りたい!」と思うことかもしれない。
私はずっと文章を書く仕事をしてきましたが、
「ライティングは好きだけど、何をどう書けばいいのかわからない」
という声をたくさん聞いて、「言葉で伝えることには価値があるんだ」とあらためて気づきました。
友人や同僚に「それ、どうやるの?」と聞かれることがある。
誰かに教えたとき、「知らなかった!」と驚かれたことがある。
夢中になって話していると、「詳しいね」と言われることが多い。
こうしたことがあれば、そこには「活かせる知識」が眠っています。
知識を「本」という形にする意味
知識や経験を形にする方法はいろいろありますが、
その中でも「本」にまとめることは、影響力の大きい手段のひとつだと考えています。
本を書くことで、頭の中が整理されますし、
本に関することを発信し続けるうちに、自分の軸が明確になってくる。
そして何より、言葉を形にすれば、長く人のもとに残ります。
情報が流れていく時代だからこそ、本にすることは、
単なる発信ではなく、知識を蓄積し、受け渡す行為 になるのかもしれません。
「本を出す」と聞くと、少しハードルが高く感じるかもしれません。
しかし、「今まで書いてきたブログをまとめる」ことからなら、
形にすることは始められると思いませんか。
どれだけ知識を持っていても、誰かに届けなければ価値になりません。
学んだことを「実践する」。
伝えたいことを「発信する」。
そして、それを誰かが「受け取る」。
知識が知識のままで終わるか、価値になるか。
その違いは、「あなたが動かしたかどうか」にかかっています。
「知っていることを、どう活かす?」
この問いからはじめてみませんか。 牧野 妙子