NHK NEWSWEB によると著名な画家、いわさきちひろが描いた絵が32点も見つかった。
いわさきちひろさんの原画30点余り見つかる “奇跡に近い”
見つかったのは、いわさきちひろが1958年から1962年にかけて子ども向けの雑誌「こどものせかい」に掲載していた作品の原画32点です。
(NHK NEWSWEB 2025年2月25日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250225/k10014731901000.html
※原画はリンク先のニュース報道にて確認できます。
発見された場所はとある出版社の倉庫で、1958~1962年に発行された雑誌「こどものせかい」に掲載されたもの。
おそらく当時は、原画を作家に返却する習慣がなく、印刷原版の元になる版下などと一緒に袋にしまったままになっていたのかもしれない。
筆者は20代半ばから広告コピーライターを職業としていたが、雑誌連載を持つと非常に忙しくなる。翌月の原稿を執筆しながら2ヶ月先の企画を考え、同時に掲載誌の色校正と3つの仕事が重なったまま、このローテーションを崩さないよう働くこととなる。それが複数の雑誌に同時掲載となるとデザイナーは2~3人体制となる。また、別の広告も担当するとさらに忙しくなる。
イラストレーターや画家と毎月のように打ち合わせできるなら原画の返却も可能だったであろうが、当時の編集者も同様な忙しさの中にいたに違いない。原稿の返却などに気がまわらなかったのだろう。
ただ、連載企画の作品がまとまって見つかったということから、出版社が作品の画集を企画していたかもしれない。
いずれにせよこの作品群は、3月1日から東京と安曇野のちひろ美術館で展示するとのこと。
1960年代に幼少期を過ごした筆者はいわさきちひろの絵本や雑誌で育った世代なので、ひょっとすると昔に見ていた絵に再会できるかも知れない。
編集者さんの忘れ物(?)が懐かしくも忘れがたい記憶につながることを楽しみにしよう。(水田享介)