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【第34回】オリジナルコラムを更新しました

2023.11.30

今回のコラムは文字についてです。皆さんは書籍に使われているフォント、日本語では「書体」とも呼ぶ文字のデザインについてどの程度ご存じでしょうか。

 一般の方はあまり認識していないかもしれませんが、日本語の書体はれっきとした商品です。書体は自然に発生したわけではなく、書体をデザインして販売するメーカー、フォントメーカーがあり、彼らが膨大な時間と手間をかけてひとつひとつ制作した成果物です。

 もちろん、世の中に出回っているスマホやタブレットのスクリーン、WindowsやMacintosh等、パソコン画面に表示されるフォントはあらかじめOSに組み込み済みです。そのため、ユーザーは本体そのものやOSに対価を払うことはあっても、フォントにお金は払っていません。
 そもそもOSとフォントは不可分のため、フォント代などナンセンスという意見もあるでしょうが・・・。

 でも、これはシェア争いにしのぎを削るデジタル業界ならではの事情があるからです。他社がいくつものフォントが無料で使えるのに、一社だけがフォント代金を上乗せしようものなら、それだけでそのOSなり会社は市場を失います。

 ところが、デザイナーや出版社・印刷会社といった商業デザイン・商業出版の世界では、書体の使用権として対価を支払っています。

 これには先にも書いたように、日本語が活字印刷で普及し始めた明治時代から続く慣習で、文字デザインの制作会社に対価を支払ってきたことに由来します。

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