先日のこと。国民の祝日に久し振りに上野公園に出かけた。風も強く肌寒い日であったが、日差しはそれなりに暖かく「お出かけ日和」だった。
上野駅公園口を出ると、そこはもう西洋美術館。当日はモネ展の最終日とのことで、行列が幾重にも折り曲がり美術館前広場はすべて人で埋め尽くされていた。
何とも面妖な事よと横目に見ながら筆者たちは東京国立博物館(トーハク)を目指してひたすら歩く。
しかしたどり着いた先で同じ目に遭うこととなった。トーハク入り口の立て看板には「130分待ち」の文字。息が止まるほど驚いた。寺のふすま絵を見に来る人がそんなに多いはずがない。
チケットを見せてトーハク敷地に足を踏み入れると謎が解けた。
130分待ちは「Hello Kitty展」のこと。表慶館の前にとぐろを巻くように行列ができていた。最後尾の人が入館できるのは、これから2時間後と思うと、ちょっと気の毒。

わたし達の目的地はその奥の「平成館」。大覚寺開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」。
午後1時過ぎで行列はなく、すぐに入館できた。館内も混み合うことはなく、仏像、絵画、書をゆったりと鑑賞できた。
清和源氏に代々継承された銘刀の二振りをじっくりと堪能。由来書を読むと、「太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)」が義経から頼朝に渡された経緯がわかった。ネットや書物では知ることのなかった大事件であり、大変有意義であった。
刀剣好きの方なら、来館はマストだろう。来場者の女子のほとんどは刀剣女子かもしれない。
なお、「大覚寺展」ではふすま絵以降の展示は、撮影できるとのこと。
前期展示は、2月16日(日)まで。後期展示は2月18日(火)~3月16日(日)。
音声ガイドを務めた「吉岡里穂さん」、「岡本信彦さん」、「花江夏樹さん」は声のバランスが良く、聞きやすく好感が持てた。
一時間半ほど展示を堪能して退出。表慶館の前はまだまだ人の列は途切れていない。ハローキティちゃんは、2月24日まで。その後は、沖縄、福岡、京都、名古屋を数ヶ月単位で歴訪するらしい。

全国のキティファンの皆さん、事故など起きないようお気をつけて。(水田享介)
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■関連サイト
トーハク(東京国立博物館)公式サイト
https://www.tnm.jp/
「大覚寺展」公式サイト
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/daikakuji2025/index.html