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■アイデアが生まれる場所、ちゃんとありますか?

2025.02.25

アイデアって、不思議なものです。
机に向かって「よし、考えよう!」と気合いを入れたときほど、出てこない……。
でも、歯を磨いているときや、駅まで歩いているときに、ふっと浮かんでくる。

私も本当によくあります。
原稿のアイデアがどうしても出なくて、しばらく考えるのをやめていたら、
翌朝、歯を磨いている最中に「これだ!」とひらめく。
あれ、なんなんでしょうね。

考えてみると、アイデアが生まれる場には共通点があるんです。
「ひねり出す」のではなく、「自然と出てくる環境をつくる」。
それが、いいアイデアを生むコツかもしれません。
今日は、 「アイデアが生まれる場のつくり方」 について、少しお話しします。

考えすぎると、出てこない
アイデアが出ないときは、大抵、考えすぎています。
あれもこれも整理しようとするほど、頭がパンパンになって、逆に何も思いつかなくなる。

「なんで浮かばないんだろう」と焦る。だから、ますます出てこない。
そんなときは、一旦考えるのをやめてみましょう。
スマホを置いて、ぼーっとする。コーヒーを淹れて、ひと息つく。
すると、ふとした瞬間に「きたきた!」と浮かんでくることがある気がします。

つまり、
考えない時間を意識的につくる。

意外と大事なことだと感じています。

いいアイデアは、否定されない場で育つ
「それじゃダメだよ」
「前に似たようなものがあった気がする」
こんな言葉を聞いた瞬間、アイデアは、しゅるしゅる…としぼんでしまうと思いませんか。

生まれたばかりのアイデアは、まだ打たれ弱いんですよね。
だからこそ、アイデア出しのときは、
「とにかく何でも出そう! 良いか悪いかはあとで考えればいい」
そんな雰囲気のほうがいい。ちょっと変わったアイデアも、気軽に言いやすくなります。
逆に、「それ、現実的に無理じゃない?」と言われてしまう環境では、
面白い発想はなかなか出てきません。

アイデアを生む場では、否定しない空気をつくること。
自分ひとりの工夫ではどうにもならないことですが大切なポイントです。

アイデアは、出してから育てる
「もうちょっと考えてから…」と形にしようと思っていると、
せっかくのアイデアも、そのまま消えてしまう。
これいいかも!と思ったことも、人間は忘れていく生き物です。

だからこそ、アイデアも、まずは形にしてみること。
デザイナーが、最初にラフスケッチを描くように、
「仮」でいいから頭の中から出してみる、という作業が必要です。

私は、思いついたことはとりあえずメモするようにしています。
スマートフォンでも手書きでも自由に。まず出す。

牧野 妙子

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