これから本を出版する方々は、どんなときにやり遂げた感や満足感を感じると思いますか。
原稿を書き上げたときでしょうか。完成見本の書籍を受け取りページをめくったときでしょうか。それとも書店で時分の本が並んでいるのを見たときでしょうか。奥付の著者紹介文を見たときかもしれませんね。
いえ、どの段階でも達成感を味わえるという方もいるでしょう。
すでにご自身の本を出された方も、思い出してください。あなたが本を出版した喜びを味わった瞬間を。
しかし、残念ですが、出版社(アスカエフプロダクツ)は、執筆された方々には、本を出版したからといっていずれの段階でも満足感や達成感は感じてほしくないのです。
なぜか。
それは、「本を出すことを仕事や人生の最終目標にしてほしくない」、からです。
本の出版とはたとえれば、個人事務所や会社のサイトを作ることに似ています。
サイトには業務内容や実績、問い合わせ先などを掲載しています。検索エンジンに引っかかるように入念にキーワードを織り込んだりします。代表者のプロフィールも事細かに紹介して、顔写真も出すサイトも多いことでしょう。
なぜ、そんなに会社情報を公開するのか。それは、仕事に結びつけたいからです。また、仕事のネットワークを広げたいからでもあります。
本もサイトと同じです。
自著を手にしたら、その本を持ってすぐに営業に出かけてほしいのです。会う人ごとに本を手渡し、この本を書いた著者自身が出向いたことをアピールしてください。
名刺を持っただけ、パンフレットを持っただけの営業の時とは、まったく違った反応が返ってくることでしょう。
自著を持つと言うことは、自分自身をブランディングすることです。
もう長々と自己紹介をする必要はありません。本が自己紹介をしてくれます。本を読んでくれた方であれば、すぐに打ち解けることができ、スムーズな営業活動ができることでしょう。
また、企業が出す本は違った価値を持ちます。入社を希望する就活生たちに本を配布することで、学生達はより鮮明な企業イメージを抱くことができるため、同じ志を持つ学生が集まってきます。「なんとなく就職」してくる新入社員は激減することでしょう。
たった一冊の本ですが、営業活動に、学生の採用に、多方面に活かすことができるのが、個人出版、企業出版の本の強みでもあります。(水田享介)