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【新連載/第6回】自分史の「設計図」を作ろう! プロット作成で、あなただけの物語を紡ぎ出す

2024.12.25

この連載ブログは、「あなたの人生、そしてあなたの会社の『ブランド』を、本にしませんか?」という提案のもと、あなたの中にある「遺産」(経験、知見、価値観、想い)を、あなただけの「一冊の本」として、未来へ遺すためのお手伝いをする全30回のシリーズです。「本」という形を通して、あなたの人生、そしてあなたの会社の「ブランド」を、より豊かに、そして後世に伝えていきましょう。今回は第2部、第6回目です。(過去記事:第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回 / 第5回

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『あなたの人生を、最高傑作に。~人生を編集し、未来へ遺す30のヒント~』
第1部:あなたの中に眠る「遺産」を発見する(1〜5回)
第2部:自分史を編み、未来へ遺す(6〜15回)
第3部:ブランドストーリーを紡ぎ、未来へ繋ぐ(16〜25回)
第4部:「本」が繋ぐ、過去・現在・未来(26〜30回)

【 今回は第2部の6回目です 】


 

自分史の「設計図」を作ろう! プロット作成で、あなただけの物語を紡ぎ出す

いよいよ第2部「自分史を編み、未来へ遺す」のスタートです! 前回は、自分史作成の「ロードマップ」を描き、本づくりの全体像をイメージしました。今回は、自分史の「設計図」となるプロットの作成方法について詳しく解説していきます。

プロットとは、物語の骨組みのことです。自分史におけるプロット作成は、あなたの人生という物語を、どのように「本」として構成していくかを決める、非常に重要なステップです。しっかりとしたプロットがあれば、執筆作業がスムーズに進むだけでなく、読者にとっても読みやすい、魅力的な自分史に仕上がります。

なぜプロットが必要なのか?

プロット作成には、以下のようなメリットがあります。

・書き始める前に、全体像を把握できる
プロットを作成することで、自分史の全体像を俯瞰的に捉えることができ、どこに焦点を当て、何を強調すべきかが見えてきます。

迷わず書き進められる
プロットは、執筆の道しるべとなります。プロットがあれば、「何を書けば良いのかわからない」と迷うことなく、スムーズに書き進めることができます。

・内容に一貫性を持たせることができる
プロットに基づいて執筆することで、自分史全体に一貫性を持たせ、読者にとって読みやすい構成にすることができます。

「本」としての完成度が高まる
プロットを練り上げることで、エピソードの配置や、ストーリー展開に工夫を凝らすことができ、より魅力的で完成度の高い「本」に仕上げることができます。

プロット作成の具体的なステップ

それでは、具体的にどのようにプロットを作成していけば良いのでしょうか? ここでは、5つのステップで解説します。

ステップ1 自分史の「テーマ」を再確認する

第5回で設定した、自分史の「テーマ」を再確認しましょう。この「テーマ」が、プロット作成の軸となります。あなたの伝えたいメッセージは、この「テーマ」に集約されているか、改めて見直してみてください。

ステップ2 読者」を再確認する

あなたの自分史を、誰に読んでほしいですか? ここも、第5回で想定した「読者」を再確認しましょう。それにより、プロット作成がスムーズになります。「読者」を意識しながらプロットを作成することで、読者にとって読みやすく、共感しやすい自分史に仕上げることができます。自分史の「読者」を具体的に想定することは、文章のスタイルや内容を決めるために非常に重要です。

ステップ3 「遺産」を洗い出す

第1部で洗い出した、あなたの中にある「遺産」(経験、知見、価値観)を改めて見直しましょう。これらはすべて、あなたの自分史を構成する重要な要素となります。この中から、今回の「読者」層に合わせて、また「テーマ」に沿って、必要な要素をピックアップしていきます。

ステップ4 構成(時系列、テーマ別など)を決める

洗い出した「遺産」を、どのような構成で「本」にまとめますか? 大きく分けて、「時系列」で構成する方法と「テーマ別」で構成する方法があります。

時系列構成では、あなたの人生を時間軸に沿って、エピソードを配置していきます。一方、テーマ別構成では、特定のテーマ(例:仕事、家族、挑戦)に沿って、複数のエピソードを組み合わせていきます。どちらの構成にもメリットとデメリットがありますので、あなたの「遺産」や「読者」に合わせて、最適な構成を選びましょう。

ステップ5 エピソードを配置し、プロットを完成させる

ステップ4で決めた構成に従って、具体的なエピソードを配置していきます。ここでは、「遺産」となる「経験」「知見」「価値観」を、ストーリーとしてどう「本」に落とし込むかを考えます。選んだエピソードを、時系列で並べたり、テーマごとにまとめたりしながら、全体の流れを組み立てていきましょう。各エピソードは、どんな場面から始めて、どんな展開を経て、どんな結末を迎えるのか? どんなメッセージを伝えたいのか? といった点を意識しながら肉付けを行います。この肉付けこそが、あなたの自分史に独自性や深みを与えるものです。この肉付けを丁寧に行うことで、読者にとって魅力的で、共感できるストーリーとなります。そして、それこそが、あなたの「ブランド」を強固なものにするのです。

この作業を通じて、プロットが完成します。プロットは、あくまでも「設計図」です。執筆を進める中で、変更や修正を加えても構いません。

プロット作成は、自分史の「未来図」

プロット作成は、あなたの人生の「未来図」を描く作業です。過去の経験を振り返り、未来へつなぐべき価値ある「遺産」を選び取り、それらをどのように「本」として表現するかを考える…。このプロセスを通じて、あなた自身の人生、そしてあなた自身の「ブランド」が、より鮮明に見えてくるはずです。

そして、その「未来図」を、「本」という形にすることで、あなたの想いはより多くの人々に届き、より長く生き続けることができるのです。

 

次回は、時系列プロットの作成について詳しく解説します。

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▶︎ 次回の記事:【新連載/第7回】 執筆中
▶︎ 前回の記事:【新連載/第5回】 あなたの「遺産」を未来へつなぐ準備はOK? 自分史作成への「ロードマップ」を描こう!
▶︎ 前々回の記事:新連載/第4回】 経験の棚卸しで「自分史」の土台作り! 人生の「名場面」を本にする


【編集余話】

これを執筆しているのは12月25日、クリスマスです。(メリークリスマス!)
クリスマスといえば、サンタクロース。我が家にもやってきました♪ 

ところで、サンタクロースといえば、世界中の誰もが知っている赤い衣装の “おじいさん” というイメージですが、これは実はブランド論の観点から見ても非常に秀逸な例といえます。どんな国や文化圏においても、赤と白の装いと長いヒゲ、そしてトナカイとそりという視覚的要素がそろっていれば、瞬時に「サンタだ」と認識されるのです。そのような “記号” が何世代にもわたり広く共有され続けているのは、長期的なブランディングの成功にほかなりません。

さらに、サンタクロースは子どもたちにプレゼントを届ける “よき存在” というポジティブなイメージを確立してきました。これは単なる服の色合いではなく、夢や希望を与える物語が大きな役割を果たしているのです。いわばサンタは、ストーリーとビジュアルを強力に結びつけることで、多世代間にわたって支持と認知を獲得してきた “感情のブランド” でもあるということ。また、クリスマスシーズンだけでなく、CMや商品パッケージなど、あらゆるメディアで繰り返し登場することで、世界規模の認知度を継続的に高め続けている点も見逃せません。

こうした一貫性や物語性こそが、ブランディングの核となる要素です。言い換えれば、サンタクロースの姿は単なるキャラクターにとどまらず、希少性やワクワク感を演出し、人々の心に深く残る “最強のブランド” なのです。


(田中)

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