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【新連載/第8回】人生の「テーマ」で自分史を深掘り!テーマ別プロットで、あなたの価値観を未来へ刻む

2024.12.27

この連載ブログは、「あなたの人生、そしてあなたの会社の『ブランド』を、本にしませんか?」という提案のもと、あなたの中にある「遺産」(経験、知見、価値観、想い)を、あなただけの「一冊の本」として、未来へ遺すためのお手伝いをする全30回のシリーズです。「本」という形を通して、あなたの人生、そしてあなたの会社の「ブランド」を、より豊かに、そして後世に伝えていきましょう。今回は第2部、第6回目です。(過去記事:第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回 / 第5回 / 第6回 第7回

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『あなたの人生を、最高傑作に。~人生を編集し、未来へ遺す30のヒント~』
第1部:あなたの中に眠る「遺産」を発見する(1〜5回)
第2部:自分史を編み、未来へ遺す(6〜15回)
第3部:ブランドストーリーを紡ぎ、未来へ繋ぐ(16〜25回)
第4部:「本」が繋ぐ、過去・現在・未来(26〜30回)

【 今回は第2部の8回目です 】


  

人生の「テーマ」で自分史を深掘り! テーマ別プロットで、あなたの価値観を未来へ刻む

前回は、自分史の「背骨」となる「自分史年表」の作り方、時系列プロットの作成方法について解説しました。今回は、もう一つの重要なプロット作成方法である「テーマ別プロット」について詳しく見ていきましょう。

「テーマ別プロット」とは、あなたの人生を特定の「テーマ」で切り取り、そのテーマに沿ってエピソードを配置していく方法です。時系列にとらわれず、あなたの伝えたいメッセージをより深く、より鮮やかに表現するのに効果的です。

  

なぜ「テーマ別プロット」が効果的なのか?

テーマ別プロットには、以下のようなメリットがあります。

・あなたの「価値観」や「想い」を強調できる:特定のテーマに焦点を当てることで、あなたが人生で大切にしてきた「価値観」や「想い」を、より深く掘り下げ、読者に強く印象づけることができます。

・読者の共感を得やすい:共通のテーマに関心を持つ読者にとって、テーマ別プロットで書かれた自分史は、より興味深く、共感しやすいものとなります。

・「本」としての独自性を打ち出せる:テーマを絞り込むことで、他の自分史との差別化を図り、あなただけの独自性を打ち出すことができます。

・自由な構成で、ストーリーを紡げる:時系列に縛られないため、自由な発想でエピソードを組み合わせ、より印象的なストーリー展開を創り出すことができます。

「テーマ別プロット」作成の具体的なステップ

それでは、具体的にどのように「テーマ別プロット」を作成していけば良いのでしょうか? ここでは、5つのステップで解説します。
 

ステップ1:自分史の「テーマ」を選ぶ

まずは、あなたの自分史の「テーマ」を選びましょう。第1部で洗い出した、あなたの中にある「遺産」(経験、知見、価値観)を改めて見直し、特に伝えたいこと、未来へ遺したいことを、テーマとして設定します。これまでの経験から見つけた、あなた独自の「遺産」を、「本」を通じて読者にどう伝えたいのかを考えてみましょう。

例えば、以下のようなテーマが考えられます。
 

・仕事における挑戦と成長
・家族との絆、子育てで得た学び
・趣味を通して得た喜び、仲間との交流
・困難を乗り越えた経験、人生の転機
・地域社会への貢献、ボランティア活動
・大切にしている価値観、人生哲学

 
自社の「ブランド」を伝えることを目的とする場合には、
 

・創業の精神、開発ストーリー
・商品やサービスへのこだわり
・顧客とのエピソード、感謝の気持ち
・社会貢献への取り組み、地域との関わり
・社員一人ひとりの成長ストーリー

 

などがテーマとして考えられます。

これらは、ほんの一例です。あなた自身の経験や想いに基づいて、自由に「テーマ」を設定してください。
 

ステップ2:「読者」を再確認する

ここでも「読者」を再確認しましょう。それにより、プロット作成がスムーズになります。「読者」を意識しながらプロットを作成することで、読者にとって読みやすく、共感しやすい自分史に仕上げることができます。想定した「読者」に、あなたの自分史を読んでもらうことで、どんな気付きや、どんな気持ちの変化があるかを想像しながらプロット作成を進めると、より効果的です。
 

ステップ3:「テーマ」に沿ったエピソードを抽出する

選んだ「テーマ」に沿って、具体的なエピソードを抽出します。ここでは、第1部で実施した「経験」「知見」「価値観」の棚卸し結果が役立ちます。抽出したエピソードを、「テーマ」ごとに分類・整理しましょう。
 

ステップ4:エピソードを並べ替え、プロットを構成する

抽出したエピソードを、どのような順番で配置すると、あなたの伝えたいメッセージが最も効果的に伝わるかを考えながら、並べ替えてみましょう。ここでは、以下のような点を意識すると良いでしょう。
 
・読者の興味を引く「つかみ」は何か?
・伝えたいメッセージは何か?
・どのような感情の流れを作りたいか?
・クライマックスはどこに持ってくるか?

 

ステップ5:プロットに肉付けをする

最後に、各エピソードに、具体的な描写や、当時の感情などを肉付けしていきます。ここでは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して肉付けを行いましょう。この作業を通じて、あなたの「自分史」に、より一層の「独自性」や「深み」が増し、あなた自身の「ブランド」が明確になっていきます。

「時系列」と「テーマ別」、どちらを選ぶべきか?

時系列プロットとテーマ別プロット、どちらを選ぶべきかは、あなたの伝えたいメッセージや、読者層によって異なります。
 
・時系列プロット:人生の流れを自然な形で表現できるため、初めて自分史を書く方におすすめです。
・テーマ別プロット:特定のテーマに焦点を当て、深く掘り下げることができるため、読者に強い印象を残したい場合や、自分史を通じて伝えたいメッセージが明確な場合におすすめです。

どちらのプロットにもメリットとデメリットがありますので、あなたの「遺産」や「読者」に合わせて、最適な構成を選びましょう。迷った時は、両方のプロットを作成してみて、比較検討するのも良いでしょう。

「テーマ別プロット」で、あなただけの物語を未来へ

「テーマ別プロット」は、あなたの「価値観」や「想い」を、より深く、より鮮やかに表現するための効果的な方法です。そして、それらを「本」として未来へ遺すことは、あなた自身の「ブランド」をより強固なものにすることでしょう。

今回紹介したステップを参考に、ぜひ「テーマ別プロット」の作成に挑戦してみてください。きっと、あなただけの物語の「未来図」が見えてくるはずです。

次回は、「自分史を豊かにするエピソードの肉付け」について解説します。

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▶︎ 次回の記事:【新連載/第9回】 自分史の「型」を知る ––– あなたの人生をどのように表現しますか?
▶︎ 前回の記事:【新連載/第7回】 時系列で人生を振り返る!「自分史年表」で、あなただけの物語の「背骨」を作る
▶︎ 前々回の記事:【新連載/第6回】 自分史の「設計図」を作ろう! プロット作成で、あなただけの物語を紡ぎ出す


【編集余話】
本稿を執筆しながら、自社のブランディングについて考えています。
2025年は自社の思い、立ち位置、目指す姿などをより明確にしながら、クライアントの皆様とともに成長してまいりたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
どうぞ佳い年をお迎えください。本年もありがとうございました。

(田中)

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